第176章 杉本瑠璃の反撃(5)

杉本瑠璃と斎藤きくこは同時に桐生誠一を白い目で見て、異口同声に言った。「来世で女に生まれ変わってからにしなさい」

桐生誠一は即座に悲鳴を上げた。彼は気づいたのだ。杉本瑠璃は斎藤きくこができてから、二人は統一戦線を張るようになったと。

桐生誠一は女子寮に入れないものの、二人を寮まで送り届けた。そこを離れずに立ち止まり、二人に言った。「僕はここで待ってるから、もし彼女たちが君たちをいじめたら、すぐに呼んでくれ。一番に駆けつけるから」

斎藤きくこは無表情で桐生誠一を見つめ、入り口の寮母さんを指差して言った。「あなたが寮母さんを説得している間に、上では全部終わってるでしょうね」

そう言うと、杉本瑠璃と斎藤きくこは笑いながら階段を上がっていった。桐生誠一は一人、寮母さんの前で呆然と立ち尽くすばかりだった。

案の定、杉本瑠璃と斎藤きくこが部屋のドアを開けると、中には多くの女子学生がいた。先ほど斎藤きくこが言及した時、杉本瑠璃は気にも留めていなかったが、実際に目にすると、斎藤きくこの気持ちが分かった。

もともとそれほど広くない部屋に、彼女と斎藤きくこの他に、七、八人の女子学生と石川静香がいた。

まるで密集恐怖症になりそうだ。斎藤きくこが部屋に戻りたがらなかった理由が分かる。

部屋の女子学生たちはドアが開くのを見て、入り口の方を見た。斎藤きくこのことは当然知っていたが、杉本瑠璃については……

ふん、今や紅葉学園で杉本瑠璃を知らない人はいないだろう。

彼女たちがここに来たのは、石川静香の招待のためではなく、完全に杉本瑠璃目当てだった。

しかし予想外だったのは、この数日間、杉本瑠璃が寮にいなかったことだ。休暇を取っていたと聞いて、少し落胆していた。

今朝、杉本瑠璃が三島様の専用車で学校に来たという噂は既に広まっており、これらの女子学生たちは積極的に石川静香の部屋に集まってきていた。

こんなに長く待って、ようやく杉本瑠璃に会えた。

そのため、杉本瑠璃を見た瞬間、全員が静止画のように同じポーズで、ただ杉本瑠璃を見つめていた。

石川静香が最初に反応を示し、立ち上がって、少し顎を上げて杉本瑠璃を見た。「やぁ、誰かと思えば、あなたじゃない」