三島悠羽のあまりにも可愛らしい表情を見て、杉本瑠璃は大笑いしながら言った。「悠羽、やっと分かったわ。あなたも万能じゃないのね!私、今まであなたは何でもできる神様みたいな存在だと思ってたのに!」
とにかく杉本瑠璃は今の三島悠羽を見て、狡猾な面の他にこんなに可愛らしい一面もあるなんて、本当に魅力的だと思った!
「私は神様じゃなくて人間だよ。多くのことは少しずつ探り出していかなければならない。夫婦の営みも含めてね」
三島悠羽はゆっくりと話した。そのゆったりとした口調は、人の心をくすぐるような、少し艶めかしいものだった。杉本瑠璃は返事ができなかった。
衝動的に三島悠羽と結婚したものの、特別な感情はなかった。しかし男女の関係については、彼女も経験がなく、女性として、その面では少し恥ずかしさがあった。
杉本瑠璃は髪を掻き毟り、木の櫛で何度か梳かして、やっと髪が落ち着いた。
「先に寝るわ。おやすみ!」
こういう時は、早く寝てしまうのが一番いい。寝てしまえば気まずくならないから。
しかし、明らかに三島悠羽はそうは考えておらず、杉本瑠璃を寝かせるつもりもなかった。
代わりに杉本瑠璃の手を引き、彼の手にあったドライヤーを杉本瑠璃の手に押し付け、自分は先ほど杉本瑠璃が座っていた場所に座った。
「僕の髪も濡れてるんだ。お返しに、奥さんも僕の髪を乾かしてくれないかな?」
杉本瑠璃は手の中のドライヤーを見て、少し笑ってしまった。断れるはずがない。
もちろん無理だ!それに三島悠羽は既にドライヤーを彼女の手に押し付けていた。選択の余地はなかった。
しょうがない、しょうがない!
三島悠羽が彼女の髪を乾かしたのはぐちゃぐちゃだったけど、一応サービスはしてくれた。彼女が三島悠羽の髪を乾かすのも、悪くはない。
髪を乾かすだけなら、簡単!
三島悠羽の不器用さに比べて、杉本瑠璃は髪を乾かすのが上手だった。自分の髪を頻繁に乾かしているので、経験は豊富だった。
三島悠羽の髪を乾かしながら、ついでに髪の乾かし方のコツを教えた。次回、彼が彼女を金獅子にしてしまわないように!
三島悠羽はずっと鏡の中で杉本瑠璃を見つめていた。杉本瑠璃がようやく三島悠羽の髪を乾かし終え、コツも説明し終わった。