三島おじいさまの言葉に、皆の注目が集まり、一同は三島おじいさまの方を見つめ、声を出す勇気もなかった。
誰もが知っていた。三島おじいさまは滅多に物を贈らない。一度贈るとなれば、それは間違いなく大きな贈り物になるはずだ!
そして先ほどの三島おじいさまの言葉から、杉本瑠璃の立場、つまり三島家の孫の嫁としての身分を認めたことは明らかだった!
「佐藤執事、書斎に行って私の小箱を持ってきなさい」三島おじいさまが命じると、佐藤執事はすぐに書斎へ向かい、すぐに精巧な小さな木箱を持って戻ってきた。
木箱を三島おじいさまの前のテーブルに置くと、佐藤執事は脇に下がった。
皆は三島おじいさまの木箱を見て、目つきが変わり、その箱を食い入るように見つめ、中身を見通そうとするかのようだった。