第299章 威風堂々(3)追加分

三島悠羽が落ち着いた様子で車から降りるのを見て、周りの汚さを全く気にせず、藤原春樹たちを見ても嫌悪感を示さなかった。

正直なところ、杉本瑠璃は困惑していた。

もしかして三島悠羽の潔癖症も、断続的なものなのだろうか?

藤原春樹は以前三島悠羽に会ったことがある。彼女が誘拐された時、三島悠羽も一緒に連れて行かれたのだ。

だから藤原春樹は三島悠羽を見た時、少し気まずそうに、恥ずかしそうにしていた。

藤原春樹は杉本瑠璃と三島悠羽を家の中に案内した。部屋の中は綺麗に片付いていて、明らかに杉本瑠璃が来ることを知って、急いで掃除したようだった。

「恩人、まずはお水をどうぞ」

藤原春樹が二本の水を差し出すと、意外なことに三島悠羽も受け取り、嫌がる様子は見せなかった。

杉本瑠璃は不思議に思ったが、この疑問は帰ってから聞くことにした。