第398章 新しい世界へ突入(8)

「また何を考えているの?」

三島悠羽は今日の杉本瑠璃が何度も心ここにあらずな様子を見て、彼女を見つめる眼差しにも深い意味が込められていた。

杉本瑠璃は考え事に没頭していたため、三島悠羽が今彼女を見つめる眼差しに気付かなかった。もし気付いていれば、今日の三島悠羽が少し様子が違うことに気付いたはずだ。

三島悠羽の目には、複雑な感情が満ちていたが、残念ながら杉本瑠璃はそれを見逃してしまった。

杉本瑠璃が我に返った時、ようやく口を開いた。「私は...パンドラ計画がとても強力で、すごいと思います。」

「それだけ?」三島悠羽はさらに尋ねた。

杉本瑠璃はもう一度考えてから言った。「少し不思議に思うんです。もしあなたが研究所を設立した目的が解毒だったのなら、なぜパンドラ計画を研究することになったんでしょうか?このパンドラ計画は解毒とは関係なさそうですが。」

「ふふ、実は最初に研究所を設立した時は、確かに解毒が目的でした。でも、ご存知の通り、多くの場合、物事の発展は徐々に軌道を外れていくものです。研究も同じです。パンドラ計画は解毒の効果はありませんが、他の面では、非常に重要な意味を持っています。」

三島悠羽は丁寧に説明し、杉本瑠璃とパンドラ計画について話すことを楽しんでいるようだった。

杉本瑠璃も非常に真剣に聞いていた。博士から得た情報は限られており、より深く理解することは不可能だったからだ。

今やパンドラ計画の原型が三島悠羽の研究所から来ていることがわかり、より理解しやすくなった。

「重要な意味とは、どういうことですか?」

杉本瑠璃は、このパンドラ計画が一体どこまで進んでいるのか知りたかった。

三島悠羽は杉本瑠璃を深く見つめてから言った。「現時点では、パンドラ計画は人間の脳神経を刺激する効果しかありません。」

杉本瑠璃はそれを聞いて少し安心したが、すぐに三島悠羽が続けて言った。「しかし、パンドラ計画の設計原型は、非常に壮大なものです。聞いてみたいですか?」

杉本瑠璃は頷いた。もちろん聞きたかった、とても興味があった!

「お腹が空いた、まだ食事してないんだ。特にあなたの火鍋が恋しいな。」

三島悠羽は突然話題を変え、食事の話に移った。