「うん、頑張るよ。安藤間がいようといまいと、私は頑張る。安藤間の存在が、私に少しでも影響を与えることはないわ」
斎藤きくこは常に骨の髄まで気骨のある人で、彼女は自分の努力で他人の尊敬を勝ち取ることを望んでいた。
杉本瑠璃は微笑んで言った。「それが私の知っている斎藤きくこだよ。期待してるよ、将来は安藤間よりも有名になって、世界的に名を馳せるかもしれないね」
斎藤きくこは杉本瑠璃に冗談を言われて笑い出した。
彼女が世界的に有名に?
とりあえず今は地に足をつけて仕事をしよう。
「いいわ、もし将来私が偶然賞を取ったら、受賞スピーチであなたにきちんと感謝するわ!」
杉本瑠璃にからかわれて、斎藤きくこの性格も明るくなり、杉本瑠璃と冗談を言い合い始めた。
しかし、斎藤きくこは今の冗談が、将来本当に実現するとは思ってもみなかった。