第425章 新しい世界に入った(35)

「今、どの会社が原西開発区の件で話し合いに来ているの?」杉本瑠璃が今日来たのは、まさにこの件のためだった。

本題に入ると、日向あきらは真剣な表情になり、かなり厳しい顔つきになった。

「今日は、5社が一緒に原西開発区の土地の件で話し合いに来ました。まるで示し合わせたかのように、ほぼ同時に到着したんです。私たちは準備をしていましたが、それでも少し忙しかったです。幸い北澤亮太が一人で3社を担当してくれたので、何とか対応できました。」

日向あきらが現状を報告すると、杉本瑠璃も少し驚いた様子だった。

「その会社はどこ?」杉本瑠璃が尋ねた。

日向あきらは手に取るように答えた。「大和食品、遠山牛乳、信和テクノロジー、明林製薬、それから日新運輸です。」

杉本瑠璃はそれを聞いても、まったく驚いていないようだった。「ふむ、Y市の大手企業が全部来たのね。彼らはきっと、すでに情報を掴んでいるのでしょうね。」