第430章 新しい世界に入った(40)

杉山様は羽田和彦が毒舌好きだということをとっくに知っていたので、彼が何を言っても気にしなかった。

「安心してください、私がどうして羽田様をモルモット扱いするでしょうか!ただ、今日は女性を連れてくると思っていたので、カップルセットを用意したんですが、お二人は...気にしませんか?」

一目見ただけで、杉山様はとても気配りのある人だということがわかった。羽田和彦とも三島悠羽とも違う。

三島悠羽はほとんど誰も眼中に入れないタイプで、羽田和彦は一見フレンドリーだが、骨の髄まで傲慢さを持っている。

一方、杉山様は謙虚で、自然と人を心地よくさせる雰囲気を持っており、羽田和彦とも三島悠羽とも異なっていた。

羽田和彦はそれを聞いて、すぐには決めず、杉本瑠璃の方を見て尋ねた。「蒼ちゃん、いいかな?」