第438章 新しい世界に入った(48)

「ちょうどいいタイミングで聞いてくれたわね。この件については今まであなたに話さなかったのは、まだ考えがまとまっていなかったからよ。今は大体方向性が見えてきたから、杉本グループもこの方向に向かって発展していけるわ」

この方向性が決まったことで、杉本瑠璃の全身から明確さが漂っていた。

「へえ?どんな方向性?これからは何をするの?」

日向あきらも好奇心を抱いていた。彼も杉本グループの将来の方向性を知りたかった。心の準備をしておきたかったのだ。

「研究開発と特許の購入よ」杉本瑠璃は簡潔に言ったが、彼女の心には壮大な計画があった。

未来の社会は、科学技術と情報の全く新しい社会になる。最も核心的な技術を握れば、主導的な立場に立てるのだ。

これは実業とはまた少し異なり、不動産業のように目に見えるものではない。科学技術や特許といったものは、より抽象的だ。日向あきらたちがすぐに適応できるかどうかはわからないが、杉本瑠璃には自信があった。正しい方向性さえ見つければ、日向あきらたちはこの業界で、実業よりもうまくやっていけるはずだ。