第432章 新しい世界に入った(42)

三島様ですか?

彼が知っている三島悠羽の三島様なのか?

ちょっと待って!

聞き間違えたんじゃないだろうか。三島様が結婚した?しかも女性と結婚したって?

女性と……女性?

三島悠羽が男性と結婚したと言われても、女性と結婚したと言われるよりはまだ信じられる。

ふん!

これはあまりにも滑稽すぎる。

これは間違いなく今年聞いた中で最も面白いジョークだ。

杉山様が信じたくないわけではなく、このような情報は、三島悠羽を知っている人なら誰も信じないだろう。

「いいかい羽田様、普段冗談を言うのは構わないが、今日はどうして杉本さんまで巻き込んでこんな大きな冗談を言うんだ。ここだけの話ならまだしも、外でこんな冗談を言うのは絶対にやめた方がいい。もし本当に三島様の耳に入ったら、君は大丈夫かもしれないが、せいぜい三島様にこっぴどく叱られるだけだ。しかし杉本さんが巻き込まれることになる。君も知っているだろう、三島様が悪意を持った女性に対してどんな手段を取るか。」

杉山様の言葉は非常に的確だった。今日初めて杉本瑠璃に会ったにもかかわらず、冷たくするどころか、杉本瑠璃のことを非常に気にかけていた。

杉本瑠璃と羽田和彦は視線を交わし、思わず笑ってしまった。

この時代は真実を言っても、誰も信じてくれないのだ。

杉山様は杉本瑠璃と羽田和彦の表情に戸惑った。

もしかして……彼らは冗談を言っていないのか?すべて本当のことなのか?

ありえない!

杉山様はほぼ即座にその考えを否定した。三島悠羽がどんな性格か、帝都で育った金持ちの子弟たちは誰よりもよく知っている。

三島悠羽は幼い頃から女性に対して特に拒絶感を示していた。小さい頃、こっそり三島悠羽に好意を持っていた女子生徒たちは、みんなひどい目に遭わされた。

もちろん、いじめを実行したのは三島悠羽自身ではなく、羽田和彦たち親友たちだった。

その後、三島悠羽が成人してからも、大胆で自信満々な女性たちが、自分なら必ず三島悠羽という氷山を溶かせると信じて近づこうとした。

ふん、結果は言うまでもなく、三島悠羽に痛めつけられて惨めな姿になった。

もちろん、多くの場合、それらの女性たちは誰を怒らせたのかも知らずに、突然破滅していった。