言い終わると、杉本瑠璃は三島おじいさまに微笑みかけ、軽く頭を下げて書斎を出た。
階下の人々は、ずっと頭を上げて二階の様子に注目していた。
彼らは二階の書斎の中で何が起きているのか非常に気になっていたが、誰一人として実際に二階に行って盗み聞きする勇気はなかった。
そして二階の書斎のドアが開いた瞬間、全員がそちらを見た。
出てきたのは杉本瑠璃だった。
一瞬、全員が黙り込み、誰も先に口を開こうとしなかった。
もともと彼らは、杉本瑠璃がこうして書斎に入ったら、その場で追い出されなくても、出てくる時には惨めな姿になっているだろうと思っていた。とにかく表情は良くないはずだと。
しかし今見ると、そうではないようだった。
杉本瑠璃は依然として落ち着き払っており、入る時と同じ様子で出てきた。