099 最後の奥の手!バグ蔹(2更)

今朝、極秘の身分を持つ人物が1108号室を訪れた。

その人物が来た時、この若い看守は、監獄全体が狙撃銃で狙われているような感覚に襲われた。

もし木村さんに何か問題が起きたら。

この場所が更地にされることは間違いないと確信していた。

今は夕方、また上層部の人間が調査に来ていた。

「分からない、上からの命令だ」所長は視線を戻し、外に向かって歩きながら言った。「しかし……」

命令を下したのは、安全局の者だった……

部屋の中。

山田は目を見開いて目の前の男性を見つめた。「お父さん?どうしてここに?」

山田のお父さんは息子の顔を見つめた。

しばらくして視線を外し、冷笑した。「出張から帰ってきたら、お前が刑務所に入ってるって聞いたぞ。」

山田:「……」

「一年だ」山田のお父さんは息子の向かいに座り、一瞥した。「お前は運がいい。でなければ最低でも十年はかかっただろう。」

「へへ」山田は笑った。

二人は言葉少なく、数分の沈黙の後、山田のお父さんが尋ねた。「部屋を変えてほしいか?」

息子の顔の傷を指しての質問だった。

山田は首を振った。「大丈夫です。木村さんが技を教えてくれました。」

手錠をしたままで、父親に動きを見せた。

「お父さん、帰ってもお母さんには言わないで。」山田は父親に頼んだ。怪我のことを彼女たちに伝えないでほしいと。

「言うわけないだろう。」

「それと、それと」山田は久しぶりに父親に会えて、話したいことが山ほどあった。「僕がいない間、お母さんとあまり喧嘩しないで。彼女を怒らせないでね。」

山田のお父さん:「……」

彼女を怒らせているのはお前じゃないのか?

「聞いてる?」山田は懇々と諭した。「お母さんはいつも花の枝を切るのを忘れるから、代わりに切ってあげて。それと白鳥さんのことだけど、お母さんに毎日アイリスを一本用意してもらって。お父さんが直接渡しちゃダメだよ……」

「……分かった分かった。」

面会時間はすぐに終わり、山田が中に連れて行かれるのを見送った。息子が視界から消えると、父親の作り笑顔が消えた。

全身から重い空気が漂っていた。

刑務所を出て。

もう一台の携帯を取り出して開いた。その携帯には他の余計なアプリはなく、電話やメッセージといった基本的なアプリすらなかった。