126 北城校長を拒否、第1位は誰?(1更)_3

白川華怜は電話を切った。

実際、彼女は考える必要すらなかった。

どれだけ時間をもらっても、奥田幸香への答えは一つだけだった。

結局のところ、北区第一中学校に残りたかったのなら、そもそも陽城市に戻ることはなかったはずだ。

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江渡は北区より小さいが、十数区ある。

市の中心部は興和区で、雲翔区と平安区は学園都市と経済発展の繁華な地域であり、渡辺家は比較的郊外の富田区にある。

渡辺家の古い邸宅。

渡辺お婆さんは黒い綿入れを着て、白髪混じりの髪を後ろで束ね、古い別荘の裏庭の温水池の側で魚に餌をやっていた。傍らには黒いコートを着た凛とした女性が立っていた。

渡辺執事が音もなく現れた。

「人は?」渡辺お婆さんは片手に黒光りする杖を持ち、もう片手で隣の壺から魚の餌を掴んで、湯気の立つ池に撒いた。錦鯉の群れが水面から跳ね上がって餌を奪い合った。

安藤蘭のことを知って以来、渡辺お婆さんは彼女をこの門をくぐらせるつもりはなかった。

しかし白川華怜のために、渡辺お婆さんは今回、渡辺泉が白川華怜を古い邸宅に連れてくることを黙認した。

傍らのコートの女性は驚いて首を傾げた。

これは渡辺瑞恵で、渡辺泉の妹だ。

「奥様、その白川華怜は来ていません」渡辺執事は静かに報告した。

「白川華怜って誰?」渡辺瑞恵が尋ねた。

渡辺執事は渡辺瑞恵に説明した。「安藤蘭の娘です」

渡辺瑞恵は驚いた。彼女は安藤蘭とはあまり親しくなかったが、今回の渡辺泉の再婚で時間を作って戻ってきた。この時、渡辺お婆さんを見て尋ねた。「彼女の娘はどんな人?お婆様が直々に気にかけるほどの人なの?」

とても興味深そうだった。

渡辺お婆さんは淡々と口を開いた。「地方の人よ。特に取り立てて言うことはないわ。ただ顔立ちがいいだけ」

彼女は白川華怜の資料を持っていた。

大学受験さえ危ういと聞いている。

そう、渡辺瑞恵は瞬時に興味を失った。「どうして来ないのかしら」

「初めての江渡ですから」渡辺執事は水島亜美の様子と白川華怜の言動を思い出しながら、「溶け込みたがっているのは明らかでした。今頃は観光でもしているでしょう。若い人たちは皆、写真を撮ってSNSに投稿するのが好きですから」