152陽城市にはどんな人が隠れているのか?_2

彼は尋ねた。

白川華怜がαを書く手が半円弧で止まり、頭の中で警鐘が鳴った。ノート?

「これは……」白川華怜は3冊のノートを取り出した。3冊は2人のもので、物理は渡辺文寺の、生物化学は本田直哉のものだった。

「物理は特に山田のために用意したの」と彼女は落ち着いて言った。

化学と生物は確かに必要だった。

物理に関係なければ、話し合いの余地はある。

木村浩はその物理ノートを一瞥して、「彼に理解できるのか?」と言った。

江渡大学物理学科の優等生のノートと間違い集は、畑野景明でさえ真剣に研究する必要があった。

「とりあえず渡しておきましょう」白川華怜はノートの良い行き先を見つけた。「どうせ理解できなければ遠山律夫が教えてくれるでしょう」

木村浩は渋々信じた。

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午後まで勉強して、白川華怜は木村浩と清水通りに食事に行った。

朝の田中局長のあの荷物の一部は木村浩が用意したもので、田中局長があんなに早く行ったのは安藤宗次たちと一緒に樹神を祭るためで、昼には樹神廟で精進料理があった。

だから彼らは戻らなかった。

夜は安藤宗次と安藤秀秋たちが食事を用意するので、白川華怜と木村浩に戻って来て食べるように言っていた。

午後5時。

藤野悟志は軽やかな足取りで図書館を出た。彼は芸術試験で北区大学に入学したため、高校3年生の時でもこんなに真面目に勉強したことはなかった。白川華怜と木村浩が車に乗り込んだ後、彼はようやく隣の空沢康利に尋ねた。「君たち...毎日朝8時からずっと今まで勉強してるの?」

途中一度も休まずに?

「いいえ」空沢康利は首を振った。

藤野悟志はほっと息をついた。

「僕は毎朝6時に起きて英語を暗記して」空沢康利は藤野悟志にスケジュールを説明した。「それから8時に図書館に来て、午後5時に帰って、食事の後で学校の基本問題集をやって、夜12時に寝るんだ。これでも早い方で、畑野景明と華怜さんは1時くらいまで起きてるみたいだけど」

空沢康利は眉をひそめながら言った。「いけない、今夜は僕も1時まで起きなきゃ。あと150日ちょっとしかないんだ」

藤野悟志:「……??」

彼らはどうやってそんなことができるんだ?