205 高考、逆流して青雲の端まで上る!(月票加更)

水島亜美は口を開けようとして、鏑木執事を見つめながら説明した。「華怜の成績はとても良くて……」

前回、渡辺家で。

渡辺千月が白川華怜がある「源」基地にいると言っていたが、水島亜美は教養がなく、半年経って、ほとんど忘れてしまっていた。

どんな基地だったか覚えていないが、白川華怜が江渡大学に推薦入学できる可能性が高いことは知っていた。

彼女にとって、白川華怜が北区大学に入れるだけでも十分驚きなのに、まして江渡大学となると。

「分かっています」鏑木執事は水島亜美を一瞥し、やや投げやりな口調で答えた。

彼は水島亜美から白川華怜の成績が良いという話を何度も聞いていた。

しかし望月家は名門であり、鏑木執事はどれほどの天才を見てきたことか。白川華怜の成績がいくら良くても、かつての望月家の天才たちに及ぶだろうか?