285 江渡に集まり、黄原院長が偽物を暴く

小山誠が例会で出した班の課題はそれほど難しくなかったが、データを処理するのに時間がかかった。

面倒で気が長い作業だったため、佐藤安則と杉山尚美は新入生たちに任せることにした。佐藤安則が進捗を管理し、最後に彼と杉山尚美の名前を加えれば良かった。

しかし、彼は思いもよらなかった。グループ課題の中で最も重要な複雑なデータを全て白川華怜が整理していたとは?

「冗談だろう?」佐藤安則の表情が曇った。

「佐藤先輩、こんなことで冗談を言うわけないでしょう?」本田直哉は首を振った。

佐藤安則は黙り込んだ。研究室で本来の仕事をせず、毎日論文ばかり読んでいる白川華怜が、どうやってこれほど膨大な計算を処理する時間を見つけたのか、理解できなかった。

白川華怜と畑野景明は、毎週最低でも二日は休暇を取っている。