はい、江渡大学の学生でも、落第を恐れています。
谷部千晶は冷たく近藤希美に送らせました。
その時、個室のドアが再び開かれました。
今度ドアを開けたのは若い女性で、ベージュのチャイナドレスに黒いコートを羽織っていました。入ってくると、その場にいた坊ちゃまや令嬢たちは一瞬固まり、全員が立ち上がりました。
白川華怜たちの隣に座っていた谷部千晶も立ち上がってドアの方へ歩き、「お嬢様」と言いました。
渡辺希実は淡々とした目で個室を一巡し、白川華怜の上で少し視線を止めました。この女性の和風の服装と過度に整った顔立ちが少し気になりましたが、それもほんの一瞬でした。
「さっき上階で、あなたのお兄様から今日が誕生日だと聞いて、特別にお祝いに来ました」渡辺希実は手にした贈り物を谷部千晶に渡しました。