彼女のパソコンには赤や緑のグラフがいっぱい表示されていた。
二人はお互いの画面をちらりと見合ったが、相手が何をしているのかわからず、黙って自分の作業に戻った。
厚田執事は二人のために何度もお茶を入れ替えに来た。厚田千夏のパソコンの画面は少しだけ理解できた。
株価のチャートだった。
白川華怜の方は……
様々なグラフや表があり、時々動的モデルも表示され、何をしているのか全く分からなかった。
今時の若者はこんなことをしているのだろうか?
厚田執事は困惑しながらリビングに戻り、老夫人の客の接待を手伝った。
白川華怜は一つのグラフを完成させ、軽く手を上げて、そばのお茶を手に取った。
厚田千夏と雑談するように話しかけた。「入学したばかりの頃、私に会った時は婚約にかなり消極的だったわね?」