第165章 お互いの気まずさ

「私もよく分からないの。起きて、水が飲みたくなって、それで...部屋を出て、そして...」山本綾音は顔をより一層赤らめながら言った。彼女はぼんやりと、昨夜は確か心春と同じ部屋で寝て、それ以上のことは覚えていなかった。

つまり、昨日彼女が部屋を出たとき、綾音はまだ寝ていて、それから彼女が部屋を出て、綾音は寝ぼけながら起きて、部屋を出て水を飲みに行ったということ?

でも綾音が先ほど歩いてきた方向は、一階から階段を上がってくる方向ではなく、むしろ...

「まさか水を飲んだ後、温井朝岚の部屋に行ったんじゃないでしょうね!」仁藤心春が言った。

山本綾音は気まずそうに笑った。「へへ...へ...」

本当に温井朝岚の部屋に行っていたのだ。どうしてそうなったのかは全く覚えていないが、朝目を覚ましたときには、温井朝岚の服が床に散らかっており、彼女自身は彼の胸の上に伏せて、口の端からよだれを垂らしていた。