山本綾音は足を止め、追いかけてきた島田書雅の方を振り向いた。「やぁ、どうしたの?白蓮花のふりはもうやめたの?あなたって、いつも可哀想な顔して、人の同情を誘うのが好きだったじゃない!」
「あなた——」島田書雅は顔を真っ赤にした。
「そうね、山田流真だけがあなたのそういうところに引っかかるのよ。だからこそ、長年付き合っていた彼女を蹴り出して、あなたみたいな何の取り柄もない、他人の成果にただ乗りするような女と一緒になりたがるのよ。でも、心春にとってはいいことかもしれないわ。少なくとも山田流真がどんな人間かわかったんだから!」山本綾音は皮肉っぽく言った。「そうそう、同窓会グループで見たけど、今度の学校記念日に、あなたと山田流真が同窓生に結婚式の招待状を配るんですってね。クズ男とその不倫相手の幸せな結婚生活を、今から祝福させていただくわ!」