しかし、彼がそう言うからには、外の人の前で彼の面子を潰すわけにはいかなかった。
「はい」仁藤心春は微笑んで、箸でエビを摘み、殻を剥き始めた。殻を剥き終わると、温井卿介の茶碗に入れた。
温井卿介は笑みを浮かべ、エビを摘んで口に入れ、食べ終わると木村家の人々に「とても美味しいです。こんなに美味しい家庭料理を食べるのは久しぶりです」と言った。
その笑顔は、まさにミサイル級の破壊力だった。
温井卿介の笑顔に慣れているはずの仁藤心春でさえ、その破壊力に抵抗できないのだから、木村家の人々なんてなおさらだった!
もちろん、唯一その破壊力に惑わされなかった木村家の人間は、悠人だけだった!
小さな子は頬を膨らませ、特に温井卿介があのエビを食べ終わって彼を見た時の表情に、不満を隠せない様子で、仁藤心春に食べさせてと引っ張った。