彼は承諾する

「秋、秋山様、何をおっしゃっているんですか？」山田流真は信じられない様子で尋ねた。

秋山瑛真は山田流真を無視し、仁藤心春だけを見つめながら続けた。「君の要求を受け入れよう。今日からGGKは川島企業とのあらゆる協力関係を断つ。彼らが君から奪ったものは、すべて返させる」

仁藤心春は皮肉な笑みを浮かべた。「では、秋山会長にお手数をおかけしますね」

秋山瑛真は唇を引き締めた。彼女の笑顔に、胸の痛みがより一層強くなった。

山田流真は慌てて言った。「秋山様、先ほどのは冗談でしょう？協力の件については、私たちは白黒はっきりと契約書を交わしているんですよ！」

「確かに契約は結んでいる。だが、破棄したところで何か問題でもあるのか？」秋山瑛真は全く気にしない様子で言った。

山田流真は顔色を失った。当時は山田氏が倒産寸前だったため、GGKに助けを求めて締結した契約だった。GGKが契約を破棄しても、GGKには何の損失もない。