私は承諾する

仁藤心春は温井卿介が取り出した寶石の劍を見つめていた。この剣には歴史の重みが沈殿しており、剣の柄に嵌め込まれた宝石は、何百年もの歳月を経てもなお、輝かしい光を放っていた。

「これはここ数日で複製されたの?」仁藤心春は驚いて尋ねた。この剣は、かつて博物館で見たものと寸分違わなかった。

「複製品ではない。本物だ」と温井卿介は言った。

「えっ?」仁藤心春は驚き、そばにいた秋山瑛真も同様に驚きを隠せなかった。

「温井卿介、なぜこれを持ってきたんだ?以前約束した複製品はどうした?まだ作れていないのか?」秋山瑛真は顔を曇らせた。山田流真との取引まで残り2日しかないのだから。

確かに山田流真との取引時期を延期することはできるが、一日延びるごとに、心春の生存確率は下がっていくのだ。