第112章 お前は自分が誰だと思っているのか

夏目星澄は一人で病室にいて、眠りたくても眠れなかった。

退屈なので窓の外の星を眺めていた。

見ているうちにトイレに行きたくなった。

でも今は体が弱っていて、自分で動くのも不便だった。

時計を見ると、もう12時近かった。

こんな遅くに看護師を呼び出すのも気が引けた。

少し迷った後、結局一人で壁を伝ってトイレに行くことにした。

一歩進むごとに休みながら進んだ。

トイレの入り口に着く頃には息が切れていた。

今や進退両難の状態だった。

看護師を呼ばなかったことを少し後悔していた。

夏目星澄は焦って泣きそうになった。まさか最後にお漏らしするなんて...

それこそ大恥をかくことになる。

誰かを呼ぶべきか迷っているところで。

突然病室のドアが開いた。

夏目星澄は心の準備もなく驚いて、転びそうになった。