林田瑶子は夏目星澄がそう言うのを聞いて、むしろ安心した。
なぜなら、夏目星澄がどれほど心優しい人で、子供をどれほど愛しているかをよく知っていたからだ。
そんな優しい性格の持ち主が、小さな命を消すなんてできるはずがない。
ましてや自分の血を分けた子供なのだから。
夏目星澄は病院を出て、ずっと胸に抱えていた息を、ようやく吐き出した。
「瑶子、私が気が変わったことを責めないでしょう?」
「まさか、あなたがどんな決断をしても私は支持するわ」
夏目星澄は感動した。どんなことが起きても、林田瑶子は常に彼女を一番支持してくれる存在だった。「ありがとう、瑶子」
「もう、そんなことで感謝することないわよ。でも、どうして急に子供を産むことに決めたの?」
「信じられないかもしれないけど、昨日の夜、彼の夢を見たの」