夏目星澄は林田瑶子を部屋に引っ張り込み、焦りながら尋ねた。「どういうこと?今の東條煌真はあなたの知っている東條煌真じゃないって。一体どうしたの?」
林田瑶子は東條煌真の様子がおかしいことを全て夏目星澄に話した。
「どんなに変わったとしても、自分がどんな食べ物にアレルギーがあるかくらい知っているはずでしょう?それは命に関わることなのよ」
夏目星澄自身もマンゴーアレルギーで、その深刻さをよく理解していた。
林田瑶子の言う通りだった。人がどれほど変わったとしても、自分の命を危険にさらすようなことはしないはずだ。
しかも東條煌真は薬を盛るという卑劣な行為までしている。
彼の目的は一体何なのか?
「この前、お金を借りようとしたって本当?」
「ええ、50万円借りたいって。私も普段お金の使い方にあまり気を使わないし、欲しいものがあれば買っちゃうから、貯金もなくて10万円しか貸せなかったの...そういえば、今住んでいる家がいくらするか聞いてきたわ。もしかして家を狙っているのかしら?」