第138章 離婚を後悔しているのか？

林田瑶子は電話で焦りながら話した。「どうしてなのかわからないけど、突然飛行機が2時間遅れると言われて。無事を知らせようと思ったのに、兄が大勢の人を連れてきたの。きっと私を連れ戻しに来たわ。」

「もう女子トイレに隠れるしかないの。星澄、早く兄から逃げる方法を考えて！」

夏目星澄は今の状況では駆けつけても間に合わず、電話で説得するしかなかった。「瑶子、一時は逃げられても、一生は逃げられないわ。兄さんはあなたを見つけ出すつもりなら、必ず見つけ出すはずよ。」

「事情をちゃんと説明したら、兄さんも理解してくれるかもしれないし、助けてくれるかもしれないわ。」

林田瑶子は躊躇いながら、「そうかな...兄はそんなに話が通じる人じゃないと思うけど。」

もし話を聞いてくれる人なら、心理カウンセラーなんかに連れて行ったりしないはずだ。

夏目星澄は根気強く諭した。「林田真澄はあなたの兄だから、害を与えるはずがないわ。このまま逃げ続けたら、飛行機にも乗れないし、東條煌真を探す時間も無駄になるでしょう？」

林田瑶子はそれもそうだと思い、仕方なく言った。「そうね、それしかないわ。兄に会って、はっきり話してみる。」

林田瑶子が逃げないと聞いて、夏目星澄はようやく胸をなでおろした。

しかし電話を切ると、もう一つの大きな問題が待っていることを思い出した。

霧島冬真は目を細めて言った。「君と林田瑶子は本当に仲の良い親友だな。彼女は君のために立ち向かい、君は彼女にアドバイスをする。」

夏目星澄は冷笑して言った。「お互い様ですね。あなたと林田真澄も親友同士でしょう？飛行機の遅延はあなたの仕業でしょう？」

短時間で飛行機を遅らせることができるのは、霧島冬真以外考えられなかった。

そうでなければ、林田真澄が空港まで瑶子を止めに行く時間なんてなかったはずだ。

もちろん、彼女も林田瑶子が一人で海外に行って東條煌真のことを探り回るのは望んでいなかった。

結局は海外で、土地勘もない場所で、もし悪い人に出会ったら、一人の女の子では対処できないだろう。

夏目星澄は林田真澄が理不尽な人間ではないと思っていた。林田瑶子が落ち着いて説明さえすれば。

きっと彼は理解してくれるはずだと信じていた。

でもそれは後の話で、今は霧島冬真に目の前から消えてほしかった。