東條煌真もトイレの方を見ると、確かに不快な臭いが漂っていた。
きっと父親の「しでかしたこと」だ。
実家にいた頃から、こんな調子だった。
個人の衛生面に気を付けて、トイレは流すように何度言っても。
何度言っても、母は父の擁護をして、自分で掃除すると言い続けた。
だからこそ、林田瑶子に家族と接触させたくなかったのだ。
しかし、むしろ家族の方から林田瑶子に面倒を起こしに来る。
今回はさらにひどく、近所の子まで連れてきて瑶子の家に住み着こうとしている。
瑶子の気持ちなど全く考えていない。
東條煌真は不機嫌な顔で言った。「瑶子、心配しないで。今すぐ掃除するから。」
神田琴江はそれを聞いて不満げに、家では息子に一切の家事をさせなかったのに、どうして彼女の家のトイレ掃除をするのかと。