夏目星澄はしばらく松岡静香と話をしてから、名残惜しそうに電話を切った。
ちょうどそのとき、霧島冬真が作ったチキンのお粥を持ってきた。漂う香りに、夏目星澄は一瞬でお腹が空いてきた。
彼女はすぐにお粥を手に取り、一口また一口と食べ続けた。
すぐに一杯を平らげ、吐き気も全く感じなかった。
霧島冬真は隣に座って彼女が食べるのを見ていた。食べ終わると、温かい水を一杯注いで、「僕の料理の腕前は悪くないようだね。全部食べてくれた」と言った。
夏目星澄はすぐに親指を立てて、「すごくおいしかったわ」と言った。
「明日は何が食べたい?また作るよ」
「特に食べたいものはないわ。お任せするわ」
夏目星澄は今の自分の味覚が分からなかった。数日前に好きだったものが翌日には嫌いになることもあった。