林田瑶子は神田琴江が来たのは、単なる謝罪だけではないと言った。彼女には必ず別の目的があり、まさかこんなに早く我慢できなくなるとは思わなかった。
産後ケアセンターの費用が高すぎると思い、そのお金を自分のために残しておきたかったのだ。
江口楽々は「サポート役」として来ただけで、もし成功すれば、何か得られるかもしれないと思っていた。
林田瑶子も同様に東條煌真の方を見て、彼がこの件をどう決めるのか見守っていた。
東條煌真は険しい表情で言った。「お二人とも馬鹿なことはやめてください。この産後ケアセンターは半年前から予約していて、お金もすでに支払い済みです。返金はできません。」
「何ですって?返金できないって、なんて悪徳業者なの。まだ入居して間もないのに返金しないなんて。私が責任者に掛け合ってみます。絶対に返金させますよ。これだけのお金があれば、実家で家が一軒買えるのに。さあ、息子、一緒に行って話をつけましょう。」