夏目星澄と霧島冬真は寄り添って眠り、心は格別に満たされていた。
特にすることもなかったので、二人ともしばらく寝ていようと思っていた。
ところが突然、子供の泣き声で目が覚めた。
霧島冬真は不機嫌そうに眉をひそめた。
彼の家になぜ子供の泣き声がするのだろうか?
夏目星澄も不安そうに体を動かした。せっかくぐっすり眠れていたのに、起きたくなかった。
子供の泣き声はますます大きくなり、霧島冬真はようやく家に見知らぬ女性が住んでいることを思い出した。
彼はゆっくりと星澄を腕から放し、布団をめくり、上着を羽織って、冷たい表情で歩いてドアを開けた。
そこには子供を抱いた女性が廊下を行ったり来たりしているのが見えた。
霧島冬真は冷たい表情で尋ねた。「何をしているんだ?」
高梨菜々は男性の声を聞いて一瞬固まった。信じられない思いで振り返ると、霧島冬真の気品のある美しい顔を見て完全に凍りついた。