第505章 名前を付けた

夏目星澄は松岡静香が来たのを見て、声を詰まらせながら言った。「お母さん、早く見てください。どうしたんでしょう、ベビーたちが急に泣き出したの」

松岡静香は経験豊富で、赤ちゃんを抱きながらあやすと、彼らが指しゃぶりをしているのに気づいて笑った。「大丈夫よ、心配しないで。二人とも少しお腹が空いているだけよ。授乳すれば落ち着くわ」

お腹が空いていただけだったのか。夏目星澄はほっと胸をなでおろした。

彼女は無意識に手を襟元に持っていき、ボタンを一つ外そうとしたところで動きを止めた。そして隣にいる男性をちらりと見て、頬を赤らめながら軽く咳払いをした。「あの...ちょっと外に出ていてくれる?」

霧島冬真は眉をひそめた。なぜ彼が出ていかなければならないのか。他人ではないのに。

それに、あそこは見たことも触ったこともあるのに、なぜここにいてはいけないのか。