第509章 霧島雪栄の不倫現場

霧島雪栄は怒りに任せて携帯を投げ捨て、部屋の中の物を次々と壊し、大きな物音を立てていた。

早川晴乃は物音を聞いて駆けつけてきた。「お母さん、どうしたの?」

部屋の中が散々に荒らされているのを見て、彼女は呆然とした。「お母さん、何してるの?どうして急に物を壊したりするの?」

霧島雪栄は振り返って娘の手を掴んだ。「晴乃、どうしよう。お父さんが浮気してるの。浮気よ!」

早川晴乃は眉をひそめ、この件については意外に思っていない様子だった。「お父さんの浮気なんて、前からわかってたでしょう?初めてじゃないし」

これまでの年月で、彼女が知っているだけでも四、五人はいた。

しかも母も知っていた。最初の頃は騒いでいたが、その後は知らないふりをしていた。なのにどうして今日に限ってこんなに大騒ぎするのだろう?