霧島雪栄の心には早川悠真しかなく、登坂萌乃の説得は聞く耳を持たず、むしろ早川悠真が自分に対して真実の愛を持っていることは疑いようがないと感じていた。
「もういいよ、お母さん。今さらそんなこと言っても何の意味があるの?私がこうなったのは、全部夏目星澄のせいじゃない。彼女が霧島家に双子を産んだから功臣扱いで、私は嫁に出された娘だから霧島家にとっては何の役にも立たない。だから私と悠真がどうなろうと、あなたには関係ないわ。帰って!」
登坂萌乃は実の娘からそのような言葉を聞いて、本当に心が傷ついた。
胸に怒りが込み上げ、そのまま気を失ってしまった。
側にいたボディーガードたちはその様子を見て、ひどく驚き、急いで医者を呼んだ。
霧島雪栄は母親が床に倒れるのを見て、起き上がって様子を見ようとしたが、早川悠真に止められた。「奥さん、動かないで。僕が見てくるよ」