霧島雪栄と霧島冬真が病院に来た。
霧島盛一もいた。
霧島雪栄は両親を見るなり、思わず目が赤くなった。「お父さん、お母さん...」
登坂萌乃の容態はようやく少し安定してきたところだった。霧島雪栄が来たのを見て、彼女の目も赤くなった。「雪栄...大丈夫?」
頭に包帯を巻いて、顔色が青白い様子を見ると心が痛んだ。
十月の間お腹に宿し、二十数年間可愛がってきた実の娘だ。普段は叩くことも叱ることもできないほど大事にしていた。
しかし早川悠真というろくでなしと一緒になってから、霧島雪栄はまるで別人のように変わってしまった。どんなに諭しても無駄だった。
霧島盛一が霧島雪栄を嫁がせる時、彼女が早川悠真と一緒にいて幸せを感じられるなら、それでもいいと思っていた。
元々この娘に大きな期待をしていたわけではなく、どのみち霧島家が彼女の後ろ盾になるのだから、彼女は好きな人生を送ればいいと思っていた。