小山千恵子は配信が途切れた画面を見つめながら、胸が締め付けられる思いがした。
記者会見が順調に進むとは思っていなかったが、まさか桜井美月がこんな大胆に乱入してくるとは想像もしていなかった……
もう彼女には波風を立てる力もなければ、退路もない。一人で乱入するはずがない、きっと後ろに何か大きな後ろ盾があるはずだ。
小山千恵子は心の中の不安を抑えきれず、ベッドから起き上がった。
藤原晴子からのメッセージの後、返信は一切なかった。現場はきっと大混乱に陥っているに違いない。
額に手を当てると、熱は少し下がっていたが、まだ足元がふらついていた。
田島さんがドアを開けて入ってきて、部屋の入り口で呆然と立っている小山千恵子を見つけると、急いで近寄った。
「小山お嬢さん、どうされましたか?まだ熱が下がっていないのですから、早く横になってください。」