第425章 この男はまだ満足していないのか

壇上に立っていたのは、その日シルバースターレーシングチームで抗議していた代表者たちだった。

きちんとした制服を着た中学生が老人の車椅子を押し、その横には子供を抱いた疲れた様子の女性が付き添っていた。

白野社長は色を失い、目に憎しみを満たして浅野武樹を見つめた。

この男は、準備万端で来ただけでなく、一つ一つの借りを、細部に至るまで、自分と徹底的に清算するつもりだった。

浅野武樹は数人が安定して着席するのを待ち、視線を冷静に客席に戻し、衝撃的な言葉を発した。

「白野社長の言うことは一つだけ正しい。この三人の親族は確かにシルバースターレーシングチームの工事現場で亡くなった」

会場からは息を呑む音が広がった。

「浅野武樹は何を言っているんだ、これは裏切りか!」

「千葉隆弘が事件後に工事日誌を公開して必死に弁明していたのに、何を弁明する必要があったんだ?」