望月あかりは首を振った。「私の買い物はどこ?みんなにプレゼントを買ってきたのに」
「小応接室よ」プレゼントの話が出ると山田ゆうは元気になり、望月あかりについて小応接室へ向かった。彼女はずっと開けて見たかったのだが、お姉さんの物なので、礼儀正しく我慢していた。
小応接室にはプレゼントの箱が山積みになっていた。その中には謝礼として買ったものと、望月あかり自身が買ったものがあった。望月あかりは山田ゆうと望月紀夫へのプレゼントを二人に渡し、残りは山田進に部屋まで運んでもらった。
望月あかりは望月紀夫と一緒に部屋に入った。望月紀夫は少し困惑した様子で「お姉ちゃん?」と尋ねた。
どうしたの?
「何でもないわ。お姉ちゃんが買ってきたものの中にルームメイトへのプレゼントもあるから、明日寮に持って行ってね」望月あかりは首を振り、それほど深刻な口調ではなく言った。「明日お姉ちゃんは出張かもしれないから、先に実家に帰って」
あの古い家が彼らの実家で、この冬休みに望月紀夫は任務のない時に家を改装し、この二日間で家具を買って、とりあえず住めるようになっていた。
そう言って、望月あかりはカードを望月紀夫に渡した。「お姉ちゃんがいない間に遊びに行ってもいいわ。開校したら直接学校に行って。山田ゆうや彼女の友達とはあまり親しくしないように、境界線を意識してね」
この話は最初から言っていたが、今日また望月紀夫に注意を促した。山田家の山田ゆうへの保護の程度からすると、望月紀夫が山田ゆうや鈴木明子と近づきすぎるのは適切ではなかった。
若い男女は、近づきすぎることが一番怖い。
望月紀夫は素直に「わかったよ、お姉ちゃん」と頷いた。
望月あかりは望月紀夫と少し話をした後、自分の寝室に戻った。今日はハイヒールで一日中歩き回ったので、ふくらはぎが痛くて、ゆっくり休みたかった。
部屋に入ると山田進が暗い顔をして、ベッドの端に座って彼女を待っていた。
部屋は明るい照明を付けていなかった。望月あかりは彼を一瞥し、衣帽間のプレゼントボックスの整理に向かった。ここには彼女と斉藤玲人のショッピング戦利品や、年始にブランドから贈られた未開封のギフトボックスがあった。
今は分類すべきものを分類しなければならない。特に斉藤玲人が買ったものがあるので、開けて不適切なものがないか確認する必要があった。