第118章 救いを求める

真夜中の12時、田中かなたは望月あかりに助けを求める電話をかけてきた。

望月あかりは山田進との戯れを中断し、急いで着替えて人を探しに出かけた。山田進も彼女について行った。

田中かなたが教えてくれた住所に従って、二人は車で狭い古い通りに着いた。その通りは住宅街で、街灯がないか壊れたままで誰も修理していなかった。時折犬の鳴き声と野良猫の鋭い叫び声が聞こえ、不気味な雰囲気だった。

車が入れない路地なので、望月あかりは車を降り、路地の中へ走って行った。足元がよろめき、アスファルトの水たまりに下水が溢れ出していて、あやうくその汚水に転びそうになった。

「気をつけて、排水溝があるよ」山田進は望月あかりを支え、携帯のライトを出して、二つの携帯で望月あかりの道を照らした。

望月あかりは古い通りの奥へ進み、古い個人商店の前で田中かなたを見つけた。店はとっくに閉まっていて、入り口には黄ばんだ光を放つ小さな看板があり、彼女は半袖とショートパンツ姿で自分を抱きしめるように路肩に座り込んでいた。

望月あかりを見つけると、走り寄って泣き出した。

「あかり……」

近づいてみると、望月あかりは田中かなたの顔に傷があり、髪も乱れ、着ているものも人前に出られるような服装ではないことに気付いた。半袖とショートパンツは寝間着のようなデザインで、足にはスリッパを履いており、外出する格好というよりは追い出されたような様子だった。

「こんな遅くにどうしてここに一人でいるの?宮崎翔陽は?」望月あかりは周囲を見回し、田中かなたがこの辺りに住んでいるのだろうと推測した。

聞かなければよかったのに、宮崎翔陽の名前を出した途端、田中かなたはさらに泣きそうになった。

「あかり、今夜一晩泊めてもらえない?行くところがないの……」彼女は今、頭の中が真っ白で、学校にも戻れず、若葉らんを頼るのも両親の噂話が怖くて、この時間に助けを求められるのは望月あかりしかいなかった。

彼女は怪我をしているので、一人にはできない。望月あかりは「うん、行こう」と言った。

望月あかりはツーピースを着ていたので、上着を田中かなたに羽織らせて隠した。田中かなたは部屋着の下は何も着ていなかったので、山田進がいる前ではよくないと思ったからだ。