山田山彦はこの二日間、望月あかりと一緒に過ごしていた。昼は家具を見に行き、夜は小さなスパイに変身してお父さんに電話をかけ、今日何をしたのかを報告していた。
「お父さん、おじさんが今日焼肉に連れて行ってくれたよ。ママの焼いた肉がすごく美味しかった」家具を選び終わった後、彼らはショッピングモールで焼肉を食べた。望月紀夫と山田山彦は極度の空腹で、望月あかりは終始肉を焼くのに忙しかった。
彼女は彼らの世話をするのが好きだった。
「ママが僕の部屋を二階に用意してくれたんだ。ママが選んでくれたカーテンにはスーパーヒーローが描いてあるんだよ」彼はママが自分にしてくれた優しさを父に自慢した。山田家の後継者である山田山彦は、幼い頃から最高級の物ばかりを与えられてきたが、この時も本当に望月あかりが選んでくれた部屋が気に入っていた。