鈴木之恵はシャツの襟元を整え、両手を彼の胸に当てた。
「変なこと言わないで。お風呂の準備してくるわ」
藤田深志は彼女を抱きしめたまま手を緩めなかった。
「俺は目が見えてる。お前の体のことは分かってる。こっそり整形したんじゃないのか?」
話はどんどんおかしくなっていき、鈴木之恵は前回彼が言った「飛行場に釘を打つ」という言葉が気に入らなかった。
「藤田深志、よく見てよ。私は飛行場じゃない、違う!整形なんてしてない、柔らかいの!」
藤田深志は喉から笑いを漏らした。
「本当に柔らかいかどうか、確かめないと分からないな。この間俺に触らせなかったのは、何か入れたんじゃないのか。
それに、俺も大木に唐辛子をぶら下げたわけじゃない。これは君自身で確かめる必要があるな」
鈴木之恵は顔を赤らめた。誰が酒を飲んだのか分からないが、雰囲気が妙になってきた。彼女は顔をそらし、彼と目を合わせる勇気がなかった。いつでも、彼は彼女にとって人の心を惑わす妖艶な存在だった。