鈴木之恵はシャツの襟元を整え、両手を彼の胸に当てた。
「変なこと言わないで。お風呂の準備してくるわ」
藤田深志は彼女を抱きしめたまま手を緩めなかった。
「俺は目が見えてる。お前の体のことは分かってる。こっそり整形したんじゃないのか?」
話はどんどんおかしくなっていき、鈴木之恵は前回彼が言った「飛行場に釘を打つ」という言葉が気に入らなかった。
「藤田深志、よく見てよ。私は飛行場じゃない、違う!整形なんてしてない、柔らかいの!」
藤田深志は喉から笑いを漏らした。
「本当に柔らかいかどうか、確かめないと分からないな。この間俺に触らせなかったのは、何か入れたんじゃないのか。
それに、俺も大木に唐辛子をぶら下げたわけじゃない。これは君自身で確かめる必要があるな」
鈴木之恵は顔を赤らめた。誰が酒を飲んだのか分からないが、雰囲気が妙になってきた。彼女は顔をそらし、彼と目を合わせる勇気がなかった。いつでも、彼は彼女にとって人の心を惑わす妖艶な存在だった。
彼女は自分の意志の弱さを知っていた。
「あなた、聞いてたの?」
「そんなに大きな声で叫んでたら、俺どころか叔父さんまで聞こえただろう」
鈴木之恵は今度は耳まで真っ赤になった。これじゃあ今後叔父さんに会わせる顔がない。まるで自分が満足できない女みたいじゃないか。
「あなたが先に私のことを言ったんだから、私のせいじゃないわ」
「じゃあ、俺の名誉を回復する必要があるんじゃないか?」
鈴木之恵は彼の異変を感じた。自分のものではない熱い体温が徐々に彼女に伝わってきた。
「手を離して、私たち離婚したでしょ」
藤田深志はこの言葉が本当に嫌いだった。彼は体を翻し、二人でベッドの端に転がり、彼女をしっかりと押さえつけた。
「まだ手続きは終わってないだろう。お前が俺に対する誤解を持ったまま明轩のところに行くわけにはいかない。将来、お前は必ず俺と彼を比べるはずだ。個人の名誉に関わることだから、俺が唐辛子じゃないことを証明しないとな」
彼は意地悪く腰を動かした。「お前の明轩よりずっと上だ」
鈴木之恵の耳は血が滴るほど赤くなった。
「離して、今日は、本当にダメ」
「なに、生理か?」
彼は手を伸ばして確認しようとした。「之恵、悪い子だな、嘘をつくようになったのか」
「藤田深志、んん……」