第143章 良いお父さんになるはず

村上拓哉はまだ鈴木之恵のために憤慨していた。

「いい女の子が渣男に台無しにされてしまった。もし本当に之恵と離婚するなら、これからは付き合いを断とう。あの秋山という腹黒い女は本当に我慢できない。道が違えば共に歩めない。これからは会っても知らない振りをしよう」

村上拓哉はこれを非常に真剣な表情で言い、冗談めかした様子は一切なかった。

彼は本当に渣男が憎かった。

中村慎は傍らで仲裁役を務めていた。

「兄弟たち、こんな無駄な話はやめよう。せっかく集まれたんだから。午後に上陸したら仕事に追われて、一ヶ月に数回も会えないんだから」

そう言って酒杯を一気に飲み干したが、飲み終わって気づくと向かい側の二人は顔を曇らせ、誰も杯に手を付けていなかった。

彼は話題を変えて言った。

「藤田さん、前回あなたが調べてほしいと言ったローリーについて、少し手がかりがあります。先日、ローリーが海外に送ったメールをネットで捕捉したんですが、IPアドレスを解析したら、どうだと思います?」