第253章 恐怖

箱の中には、きちんと折り畳まれたペアのパジャマ、破れて修復された二冊の結婚証明書、そして祖父が二人のために撮った結婚指輪の写真、もう一つは藤田深志が後に彼女のために用意した結婚指輪があった。さらに二着の赤ちゃん服も入っていて、それは彼女が以前買い物をした時にクローゼットに隠しておいたものだった。

そのパジャマは二人が結婚したばかりの頃、鈴木之恵が店で慎重に選んで買ってきたものだった。デザインから生地まで彼女は大変気に入っていたが、藤田深志はどうしても着ようとしなかった。

鈴木之恵は当時厚かましく、彼が着たがらなくても気にせず、とにかく彼女自身がそのパジャマをよく着ていて、古くなっても捨てられなかった。

今、新旧二着のパジャマの袖が固く結ばれていて、まるで離ればなれになることを恐れているかのようだった。