鈴木由典を見送った後、鈴木之恵は心ここにあらずに部屋の片付けをしていると、弘文の驚きの声で我に返った。
「わぁ、すごい!限定の恐竜レゴだ!」
鈴木弘文は新しく開けたブロックの箱を大切そうに抱きしめた。このレゴは今年発売された限定品で、彼はずっと欲しがっていた。前にもママに何度かねだったけど、公式サイトで予約しても当選しなかったのだ。
「ママ、どのおじさんがこんなプレゼントをくれたの?すごいね、限定品まで手に入れられるなんて。」
鈴木弘文は興奮を抑えられなかった。
鈴木之恵は少し黙ってから、
「あなたが会ったことのないおじさんよ。ママが京都府で働いていた時の上司なの。」
鈴木弘文は目を輝かせて、
「じゃあ、ママからお礼を言っておいて。すっごく気に入った!」
鈴木之恵は微笑んで、