第340章 私たちには連絡を取る必要がない

藤田深志は、これからの人生は妻を追いかける長い道のりになるだろうと感じていた。

助けてくれる人どころか、邪魔をする人ばかりだった。

藤田深志が到着した時、小柳さんが呼んだ警察官も来ていた。

陶山蓮華は自分を品のある人間だと思い込んでいたので、警察官の質問にも上から目線で適当に答えていた。

小柳さんは路上で子供を誘拐しようとする者がいると通報したので、警察は当然、彼女を人身売買犯として取り調べた。

陶山蓮華は軽蔑した表情を浮かべながらも説明せざるを得ず、全く我慢強さのない様子で、

「警察官、私はただあの子供の父親が誰なのか聞きたかっただけです。家族をちゃんと管理するように伝えたかっただけで、私の息子にお金を無心させないでほしいんです。私のどこが人身売買犯に見えますか?私がお金に困っているように見えますか?」