鈴木之恵も後に続いて車から降り、荷物を運ぶのを手伝った。
「お爺さん、今日はとてもお元気そうですね!」
藤田お爺さんは上機嫌で、良い顔色をされないことを知っていても、少なくとも良いスタートを切れた。
「之恵、お爺さんは今日若く見えるかい?」
「若く見えるどころか、少なくとも10歳は若返っていますよ!」
藤田お爺さんはご機嫌で笑い、その時藤田晋司が贈り物の箱を数個抱えて降りてきて、軽く息を切らしながら言った。
「お父さん、上の荷物は全部運びました。」
藤田お爺さんは頷いて、
「全部車に積んでくれ。之恵の家族に気に入ってもらえればいいが。今回は急な準備だったから、私の宝物の多くは京都府の実家にあって、持ってくる時間がなかった。次の正式な結納の時に、改めて贈らせてもらおう。」