第66章 南雲泉が結城暁をブロックした

結城暁からの電話だと分かり、南雲泉は考えることもなく、すぐに切った。

「なぜ出ないの?」と桐山念が尋ねた。

「出たくないの。出たら逆に気分が悪くなるから」

桐山念は同意して頷いた。「私もそう思う」

一方、結城暁は胸に怒りを溜め込んでいた。特に南雲泉に電話を切られた後は。

彼は二度目の電話をかけた。

三度目の電話も。

結果は例外なく、すべて南雲泉に容赦なく切られた。

結城暁が再び電話をかけようとした時、自分がブラックリストに入れられていることに気付いた。

すぐにLINEを送った。「ブロック解除して」

南雲泉は故意に分からないふりをした。「何を解除するの?」

「ブラックリストから外して」

あぁ、気付いているのね。

それならなおさら良かった。今の彼女は機嫌が悪く、彼をブラックリストに入れたままにしておきたかった。