第49章 目に汚れは許さない

藤原月は立ち去った後、小林詩織の主治医を訪ねて、その後一日中会議に出席していた。

退社時間になると、彼は時間通りにオフィスを出て、テレビ局へ向かった。

しかし今日彼を出迎えたのは大森千夏だった。彼女は彼の車を知っていたので、近づいて挨拶をした。「藤原社長は高橋真子に電話されなかったんですか?彼女はスタジオを出たらすぐに帰ってしまいました。」

「ありがとう!」

藤原月は深い声で言うと、すぐに車を走らせた。

道中、彼は高橋真子に電話をかけたが、彼女は出なかった。おばあさんに電話をすると、真子が午後ずっと病院にいたことを知り、おばあさんの話を最後まで聞かずに病院へ急いだが、またしても会えなかった。

「あなた、バカなの?最後まで話を聞かないなんて!」

おばあさんは彼の責めるような態度を見て、先に彼を叱りつけた。