「……」
この世で、彼だけが堂々と彼女のベッドに上がることができた。
そして彼女のベッドの上で悪戯を仕掛けてきた。
高橋真子は突然そこに横たわったまま動かなくなった。まるで魚のように、誰かにひっくり返されて焼かれているような気分だった。
彼は彼女の横に横たわり、目が彼女の胸元をさまよい、耳元で囁いた:「女の子は男を得た後は……」
高橋真子:「……」
「頑張るよ!」
藤原月はそう言いながら、また上に這い上がって暴れ始めた。
高橋真子は怒りと恨めしさで一杯だったが、彼には敵わなかった。もがいても数回で押さえつけられ、四肢は健在なのに全く動けなかった。
高橋真子は彼が何に頑張るのか分からなかったが、とにかく夜が深まるにつれて、彼女はベッドの上で息を切らしていた。
藤原月は電話で邪魔されて止まった。電話を切った後、ベッドに座って暫く経ち、突然笑い声を上げてから、また横になった。
高橋真子は振り向いて彼を見た:「行かないの?」
「行かない!」
彼も振り向いて彼女を見た。
ただし二人とも、一人は心に定海神針があるかのように落ち着いていて、もう一人は落ち着かない様子だった。
高橋真子は不思議に思った。詩織から電話があったのに呼び出されないの?それなのにこんなに嬉しそう?
藤原月は再び彼女の側に寄り添い、彼女を抱きしめた:「寝よう!」
夕食もろくに食べていないのに、彼に苛められた後で、もう寝るの?
高橋真子は彼の腕の中にしばらくいて、ついに苦しそうな声を出した。
藤原月は少し彼女を離し、下を向いて彼女を見た:「どうしたの?」
「私を窒息させる気?」
「……」
藤原月はすぐにまた彼女を少し離し、思わず彼女の顔に近づき、眉間にキスをした:「そんなことしないよ!」
「ここで寝るつもりじゃないでしょう?今日は雷も雨も降ってないわ。」
高橋真子は目を伏せて彼の胸元を見ながら注意を促した。
「今夜は帰らない!」
藤原月は突然そう言って、ベッドから起き上がった。
高橋真子は彼が起き上がるのを見て思わず頭を持ち上げた。彼は寝室を出て、隣の洗面所に行ったようだった?
彼女が服を着て出てみると、外の床に彼の服が散らばっており、洗面所のドアは開いたままで、中から水の音が聞こえていた。
彼は……
シャワーを浴びに行ったの?