第116章 独占欲

「月……」

「切れた!彼女は怒ってる!」

藤原月はそう言うと、携帯を投げ捨て、再び彼女の柔らかい体の上に這い上がった。

「何でも君の言う通りにするから、僕を受け入れてくれないか?」

藤原月は彼女にキスしながら、誘惑するように囁いた。

高橋真子の胸は重く、まるで8月の蒸し暑い大雨の前のような感覚だった。

何でも言う通りにするとはどういう意味?

ただ一つの肉体のために?

「何でも私の言う通りにするって、離婚のことも?」

高橋真子は弱々しく尋ねた。

彼の手の力が少し強くなり、高橋真子は痛みで腰を浮かせた。

「それ以外だ」

藤原月は彼女の首筋にキスしながら、低い声で答えた。

「それ以外?あなたの命?それとも資産?」

「それら全部君にあげられる」

君さえ僕のものになってくれれば!