「月……」
「切れた!彼女は怒ってる!」
藤原月はそう言うと、携帯を投げ捨て、再び彼女の柔らかい体の上に這い上がった。
「何でも君の言う通りにするから、僕を受け入れてくれないか?」
藤原月は彼女にキスしながら、誘惑するように囁いた。
高橋真子の胸は重く、まるで8月の蒸し暑い大雨の前のような感覚だった。
何でも言う通りにするとはどういう意味?
ただ一つの肉体のために?
「何でも私の言う通りにするって、離婚のことも?」
高橋真子は弱々しく尋ねた。
彼の手の力が少し強くなり、高橋真子は痛みで腰を浮かせた。
「それ以外だ」
藤原月は彼女の首筋にキスしながら、低い声で答えた。
「それ以外?あなたの命?それとも資産?」
「それら全部君にあげられる」
君さえ僕のものになってくれれば!